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感染症の数理モデル(SIR)

感受性者・感染者・回復者に分けた SIR モデルと、潜伏期間のある SEIR モデルで流行の広がりを計算します。基本再生産数・ワクチンの接種率・接触を減らす時期と強さで、流行の山の高さや集団免疫の閾値がどう変わるかを確かめられます。

病気の例(値はおおよその目安)

0%25%50%75%100%0 日91 日183 日274 日365 日
感受性者 S(まだかかっていない)潜伏期 E(感染したがまだうつさない)感染者 I(うつす)回復者 R(免疫あり)破線: 対策なしの感染者/網かけ: 対策の期間
感受性者 S
98.5%
984,656 人
潜伏期 E
0.2%
1,797 人
感染者 I
0.2%
2,230 人
回復者 R
1.1%
11,317 人
12.5
実効再生産数 Rt = R0 ×(接触の残り)× S。1 を上回る間は感染者が増え、下回ると減ります。

モデル

表示する期間

感染者の山
169 日目

13.0%(130,168 人)が同時に感染

感染した人の合計
89.0%

890,081 人。対策なしの式の答え: 89.3%

集団免疫の閾値 1 − 1/R0
60%

ワクチンがあと 60% 足りません

実効再生産数が初めて 1 を下回る日
166 日目

この日を過ぎると感染者が減り始める

対策なしの場合(破線): 山は 120 日目に 13.4%、感染した人の合計は 89.3%。対策で山を低くしても、対策をやめた時点で免疫を持つ人が少ないと、もう一度流行が起きます。

モデルのしくみ

S→ β·S·I(β = R0/感染期間 = 0.357) →
E→ σ·E(σ = 1/潜伏期間 = 0.200) →
I→ γ·I(γ = 1/感染期間 = 0.143) →
R

矢印は 1 日あたりに移る人の割合です。感受性者と感染者が出会う回数は S と I の積に比例すると考え、それに β を掛けた分が毎日新たに感染します。感染者は平均して感染期間の日数だけ人にうつしたあと、回復して免疫を持ちます。

使い方

  • 病気の例を選ぶか、基本再生産数・感染期間・潜伏期間を動かすと、人口 100 万人の町で 10 人の感染者から始まる流行をすぐに計算し直します。
  • 「接触を減らす対策」で、始める日・続ける期間・減らす割合を変えて、感染者の山(グラフの橙の線)がどう変わるかを、対策なしの場合(破線)と比べてみましょう。
  • ワクチンで免疫を持つ人を増やし、集団免疫の閾値を超えると流行が起きなくなることを確かめられます。
  • 「見る日」のスライダーで、その日のそれぞれの割合と人数を表示します。

SIR モデル

1927 年にカーマックとマッケンドリックが考えた、感染症の流行を表す最も基本的な数理モデルです。人を感受性者(S)・感染者(I)・回復者(R)に分け、それぞれの割合の変化を微分方程式 dS/dt = −βSI、dI/dt = βSI − γI、dR/dt = γI で表します。感染してから人にうつすまでの潜伏期間(E)を加えたのが SEIR モデルです。このアプリは 4 次のルンゲ=クッタ法で 0.1 日刻みに解いています。

基本再生産数 R0 は、だれも免疫を持たない集団で 1 人の感染者がうつす平均の人数です。免疫を持つ人が増えると実効再生産数 Rt = R0 × S が下がり、1 を下回ると流行は収まっていきます。そのため、1 − 1/R0 以上の人が免疫を持っていれば流行は広がりません(集団免疫)。流行が終わるまでに感染する人の割合は、最終規模方程式 ln(S0/S∞) = R0(S0 − S∞) から求められ、R0 = 2 でも約 8 割に達します。

注意事項

全員が同じように出会う、免疫は一生続く、人口の出入りはない、といった大きく単純化したモデルです。年齢や地域による違い、無症状の感染、医療の状況などは含んでいないので、実際の流行の予測には使えません。病気の例の数値も、文献で示されるおおよその範囲から選んだ目安です。